噛み合わせマメ知識
顔の歪みはなぜ起こる?レントゲン分析

No.001 女性31歳
顔の歪みはなぜ起こるのでしょうか?
写真の患者さんをみてください。
(1)左の口角がキュッと上がっている
(2)左の顎が右よりもシャープ
(3)鼻筋が左に曲がっている
全体的にお顔の左側が緊張しているのが見てわかると思います。
肩も左側が少しだけ上がっていますね。なぜこんな状態になっているのか?
それは噛み合わせが大きく影響しています。 患者さんのレントゲンをみてみましょう。
レントゲンを分析してみましょう
まずは口元のレントゲン(パノラマ)
赤丸がついている部分が下顎頭になります。ここは下顎が動くための関節部分です。(顎関節)
よく見てみると、左側の下顎頭の方が右側よりも太く短く見えませんか?
そして青矢印の部分が下顎枝。下顎の角ばってるところですね。
こちらも右より左が大きいように見えます。 これはどういうことなのか。
この患者さんの場合は左側で噛みしめることが多く、また就寝時も左側の顎関節への圧迫が強いため、左側の下顎頭、下顎枝が発達したと推測できます。
一般的に、顎は噛み合わせの低い方で食物を食べる傾向にあります。これは、低い側がより食べやすい環境にあるからです。
また、噛み合わせの低い側が筋肉がより緊張します。

次に頭蓋骨全体を側面からみたレントゲン(セファロ)
次に頭蓋骨全体を横から見たレントゲンを観察して見ましょう。
どこがおかしいかわかりますか?
このレントゲンからどんな異常を見つけられるでしょうか。
下顎のラインにオレンジの線を引きました。
二本線になっていることはそれだけ左右差があるということです。
そして黄色い線。
こちらも二重の線になっています。
これは上顎が乱れている、ということです。
そして青矢印の部分。
ここは側頭骨の部分ですが、この側頭骨を示す線も二重になっています。
=側頭骨がずれている=蝶形骨がねじれている、のです。
この側頭骨がずれると、頭蓋骨の筋膜が圧迫され緊張し、偏頭痛の原因となります。
また、蝶形骨は脳下垂体と視床下部を支える大事な骨です。
蝶形骨とその周りには大事な神経や血管の通り道が多く、蝶形骨が歪むとそれらを圧迫して様々な不調を引き起こします。
特に蝶形骨が捻れた方は生理不順や生理痛がひどい方が多いです。
噛み合わせの不具合が引き起こすのはお顔の歪みだけではありません。
噛み合わせが悪いということは頭蓋骨、頚椎をも歪めます。そしてやがて全身のバランスは崩れていき、肩こり、腰痛、と様々な症状となって現れます。
こんなひどい状態になる前に、早めに解決できるようにしましょう!!
噛み合わせと深い関係 もっと知ろう背骨編 Part2

背骨が3つの部位に分かれていることを前回、説明しましたが、今回はその中で頚椎に異常があったときに、出やすい症状を説明します。
噛み合わせの悪さから、頭蓋骨が歪みさらには頚椎にその影響が出た場合には、
・肩こり
・頭痛
・耳鳴り、めまい
・不眠症 など
の症状が出ます。
これは、下アゴが頭蓋骨の側頭骨を押し上げることで、側頭骨が回転し、さらには頚椎に影響が出ていると考えています。
噛み合わせを治すことで、これらの不定愁訴と呼ばれる症状が緩和されることが良くあるのです。
噛み合わせと深い関係 もっと知ろう背骨編 Part1

背骨は皆さん知っていると思います。
簡単に背骨と一言で言っても、部位があります。
首の部分が頚椎、胸の後ろ側が胸椎、腰の位置が腰椎と仙骨、そしてお尻の部分が尾骨になります。
ご存知のように、一本の骨出来ているわけではなく、神経の大切な軸となる脊髄を椎骨と椎間板という部分が交互につながって保護されている状態を背骨といっています。
一言で背骨が歪んでいるといっても、その場所によって体調不良になる場所や症状が異なるのです。
それでは、次回より部位によってどのような症状が出るのか説明していきます。
噛み合わせの異常が身体の歪みにつながる理由

『代償作用』という言葉をご存知でしょうか?
私たちの身体には、ある部分が傷ついたり失われたりした時に、身体の別の部分がその機能を代行する機能があり、それを『代償作用』と言います。ところがその『代償作用』がかえって自分の身体を歪めてしまうことになっているのです。
具体例で説明します。(右の図は身体全体のバランスが正常な場合です)
例えば片方の奥歯が虫歯、あるいは歯が抜けてしまって噛み合わせが悪くなったとします。そうすると、どうしても噛みやすい側の歯だけで噛んでしまいます。 その結果、

①顎がずれて頭部が平行でなくなって曲がります

②それをキャッチした三半規管は頭部を重力に対して平行に保とうとして、まず骨盤を歪めます
症状が進行すると、骨盤全体とさらには首まで曲がってしまうのです。
噛み合わせと深い関係 もっと知ろう頭蓋骨編 Part3
Part2で説明した側頭骨の横に、蝶形骨があります。蝶々の形をしています。
この蝶形骨には、脳の直下にまるでぶら下がってみえる脳下垂体という器官がはまり込むようなくぼみがあるのです。
この脳下垂体は体の中へホルモンを分泌して内分泌器の活動を調整する働きがあります。
そのため、もし、蝶形骨が歪んでしまうと、側にある脳下垂体にも歪みが連動して、内分泌器の調整が狂いホルモンバランスが崩れてしまうのです。
ホルモンバランスが崩れると、女性では生理不順などの症状が出ることがあります。
脳と体の関係はテレビなどでも特集していたりしますが、頭蓋骨の歪みから他の器官に悪い症状が出ることがあるのです。
そして、その頭蓋骨を歪める原因の1つとして歯の噛み合わせが考えられるということなのです。
噛み合わせと深い関係 もっと知ろう頭蓋骨編 Part2

頭蓋骨がいくつかのパーツに分かれているのはPart1でお話しました。
そのパーツの中でも最も噛み合わせと深い関係にあって重要なのが、側頭骨(そくとうこつ)になります。右図の矢印で示したピンクの部分です。
下顎(したあご)のうえに位置するので、噛んだときのあごの力が伝わり、その影響も受けてしまうのです。
この側頭骨という部分は下顎で突き上げられることによって、後方に回転することもあります。これは、頭痛の原因を考えた部分で説明済ではありますが、本当に回転できるんだろうか?と思う方も多いと思います。

頭蓋骨から側頭骨の部分を外してみると、なんと頭蓋骨側と側頭骨の内側にレールのような溝があることがわかっています。
この溝にそって回転するのです。
この中には聴覚・平衡感覚である大切な器官が集まっています。さらには、脳の近くでもあります。
人のカラダの複雑な動きに対応し、大切な命に関わる器官を守れるように多少は動くようになっているのですが、その動きにすべての器官がただちに対応できるようにはなっていないようです。
側頭骨部分の回転によって、頭痛や肩こり、腰痛など他の部分にそのしわ寄せがきてしまうのです。
噛み合わせと深い関係 もっと知ろう頭蓋骨編 Part1
噛み合わせが悪いと頭蓋骨が歪みます。その構造を全回ご説明しましたが、
そもそも頭蓋骨は歪むの?と疑う方もいるかもしれません。
そこで、まずは頭蓋骨のことをもっと知ってもらいたく少しずつ説明します。
右図の頭蓋骨模型はとてもカラフルに色分されていてまるでパズルのようですが、人の頭蓋骨はこのようにいくつかのパーツが組み合わせれて出来ています。
これが焼き物のように1枚で出来ていたら歪むこともないかもしれません。ですが、衝撃に弱く割れやすくなるでしょう。
このパーツにわかれていることで衝撃を吸収し中の脳や視神経・聴覚系などさまざまな大切な器官を守っているのです。つまり各パーツの隙間に多少の遊びがあるのために歪むこともあるのです。

頭蓋骨模型を上から見た写真です。
上が前頭骨、下が後頭骨、真ん中の左右に分かれているのが頭頂骨です。
前頭骨及び後頭骨の歪みを、頭頂骨の間にある割れ目がその歪みを吸収できるようになっています。
とはいえ、歪みが大きくなるとどうなるでしょうか?
この割れ目だけでは吸収できなくなり、脳や全身への歪みにつながってしまい、体調不良になると考えています。
カラダの仕組みを知ることで、体調不良の原因が少しでもわかってくると良いですよね~
噛み合わせが原因で頭痛になる構造


下顎頭が上にあがると、その先にある側頭骨という部分が上に押し上げられることになります。
その結果、側頭骨は後方へ回転してしまいます。これだけでも頭痛につながるだろうと想像できます。
さらにこの側頭骨の内側には三半規管があるのです。
とすれば、当然この三半規管にも影響が及びます。その結果、吐き気や頭痛につながるのです。